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塗装の種類は

自宅の外壁塗装をする場合どのような種類の塗装にしたら良いでしょうか?

外壁塗装にはどのような種類があるのでしょうか?

価格が安価なものから高価な塗料もあるようですが、具体的になにが違うのでしょうか?

そして、どれくらいのグレードの塗料、施工価格がお勧めなのでしょうか?

塗装をする前、とくに初めての外壁塗装をする際は悩みますよね。

外壁塗装は、石材調、砂壁調やコテでランダムに塗装する塗り壁調など実に沢山の種類があります。

しかし、一般的住宅の外壁が窯業系サイディングボード(多くは最初から塗装が施してあり、タイル調とか割石調のものが多い)であれば特殊な場合を除いて、塗料の種類だけの違いとなります。

以前は、窯業系のサイディングに石彫の吹付塗装をしたり、塗り壁を施したりしていましたが、後々のメンテナンスや外壁の汚れ等(表面の凹凸に埃や汚れが付着苦しやすくなる)を考えると敬遠される傾向にあります。

サイディングボードは木下地に釘またはビスで留めてる仕様ですので、新築時にそうゆう仕様が設計で織り込まれているのであれば補強も入っているでしょうけど、塗り替え時に、石調などの塗料を選択すると、外壁自体が重くなり余り良い結果にはならないと言えるでしょう。

また、防水性がある弾性塗料を勧める業者もいますが、サイディングの割れに追従するようにするには、かなり厚く塗装する必要があります。実際漏水しているのであれば、塗装で防水するのでは無く、サイディングボードを剥がし漏水箇所を確認した上で、然るべき処置をすることをお勧め致します。場合によっては漏水の影響で、下地木材が腐食していることも考えられるからです。

意匠性サイディングボードの場合、厚みのある塗装をすることを想定していないために、サイディングボード内部で蓄熱し、塗膜膨れ等の不具合を発生させることも良く見られます。

私のお勧めは、窯業系の意匠性サイディングボードの外壁でしたら、エナメルタイプの塗料もしくはクリヤー塗料です。

塗料の種類は、塗料の主成分である樹脂で分別され、水性塗料、溶剤形塗料も同じ種類があります。

ウレタン樹脂塗料

現在一番安価な塗料がウレタン樹脂塗料です。15年位前までは最も多く塗り替えに使われていた塗料です。(更に安価なアクリル樹脂塗料というのがありますが、耐候年数が3~5年と短く、今では殆ど見掛けることがありません。)

耐候年数が5~7年と短く現在では塗り替え現場で使われることが少なくなってきました。

シリコン樹脂塗料

現在、住宅塗り替えの現場において支流の塗料がシリコン樹脂塗料です。価格が比較的手頃で最近ではラジカル制御をプラスさせた高機能型の塗料も発表されています。

耐候年数が7~10年と比較的長持ちといえます。

フッ素樹脂塗料

超耐候性が売りの塗料です。鍋とかの焦げ付き防止とか歯の虫歯予防の治療時に使われるあのフッ素樹脂です。耐候性が10~15年と非常に高く長期にわたって建物を保護します。しかし、お値段もそれなりに高くなります。

このグレードの塗料になりますと、各塗料メーカーで価格もバラバラで、耐候年数もバラバラです。一概に値段が高いから長持ちというわけでもなさそうです。

実際に塗装した現場を見せてもらい、10年以上経過した状態を確認した上で発注しましょう。

無機塗料

以前は、フッ素樹脂塗料が一番耐候性が高いと言われてきましたが、技術の進歩によりまして、より耐候性の高い無機塗料が発表されています。

今では、フッ素樹脂以上の耐候性があります。

また、親水性をもたせ雨水と一緒に汚れや埃を洗い流してくれる機能をプラスしたものもあります。耐候性も高く15年~20年と長期間に渡って建物を保護します。また、塗膜の表面劣化、白亜化も小さく苔・カビなどの発生しにくい塗料と言えます。

お値段はフッ素樹脂塗料と同等もしくはそれ以上となります。

こちらも、各塗料メーカーで価格もバラバラで耐候年数もバラバラです。一概に値段が高いから長持ちというわけでもなさそうです。

実際に塗装した現場を見せてもらい、10年以上経過した状態を確認した上で発注しましょう。

それに、永く持たせるためには塗装する職人の技量が必要となってきます。

塗料は高度な塗装技術を持った職人がきっちり施行して初めてカタログ通りの性能を発揮します。そこで業者選びが重要となります。

高耐候性の塗料を選ぶと外壁塗装工事の金額も割高となりますが、長い目で見ると塗り替え回数を減らす事が出来ますので、足場代とか職人の手間代や現場経費などを節約することが出来ます、結果トータル的にはお安くなることもあります。何より綺麗な状態で大切な建物を長期にわたって保護してくれるのが嬉しいですよね。

価格で選ぶのか対応年数で選ぶのか?

外壁塗装をする場合に一番多く悩まれるのは、どれくらいの対応年数で、いくらぐらいの工事費用が必要かと言う事だと思います。

今主流のシリコン樹脂塗料で7~10年と言われています。

メーカーによっては12年程度もつものもあります。

最近は各メーカーで高機能な塗料を発表していまして、親水性は当たり前、ラジカル制御機能を持たせたものまであります。(酸化チタンの働きを制御して白亜化を抑える、詳しくは私のBLOGのページを参照して下さい)

施工価格も落ち着いてきているのでお勧めの仕様だと言えます。

耐候性を重視するのであれば、無機塗料をお勧め致します。

あるメーカーでは沖縄の宮古島で暴露試験を行い9年以上にわたり光沢低下、白亜化度の変化があまり見られなかったと言う実証データーを持つ塗料もあります。

(宮古島は本州に比べ3倍以上の促進率をもち日本一過酷な環境と言われています。)

もちろん親水性もプラスされ、高硬度でツルンとした塗膜表面は長期間にわたり建物を保護するとともにカビ・苔の発生、汚れ、埃等の付着や雨筋汚れを抑え、美しい状態も長く保つことが出来ると言えます。

施工価格は一般的なシリコン樹脂塗料を使用した場合の1.3~1.5倍程度になります。

何度も言いますが、永く持たせるためには塗装する職人の技量が必要となってきます。

塗料は高度な塗装技術を持った職人がきっちり施行して初めてカタログ通りの性能を発揮します。そこで業者選びが重要となります。

それから、同じグレードの塗料でも塗料メーカーによって価格も、耐候年数も違います。

実際にその塗料を使い10年以上経過した現場を見せてもらい、劣化具合を確認したうえで発注するようにしましょう。

クリヤー塗料

その他にクリヤーという透明の塗料があります。

クリヤー塗料にもシリコン樹脂と無機塗料があります。耐候性とか価格帯も有色の塗料と同じと考えて良いです。

このクリヤー塗料はどんな場合に使用するのかと言いますと、石割調であったりタイル調の高意匠性サイディングボードは沢山の色が入っていますが、通常の場合有色塗料で塗り替えを行った場合1色だけの色彩となります。

そこで登場するのが、このクリヤー塗料です。

塗料自体に色は付いて無く透明ですから、現在の色調を活かしたまま、建物を保護できます。

イメージを現在と変えたく無いと言う方にはお勧めです。

ただし、既存サイディングが劣化していないことが条件となります。

当然傷とか汚れがあれば、透明の塗料ですからそのままの状態です。それに白亜化が進んでいますと、塗膜のハガレなどいろいろな不具合を引き起こすこととなります。

塗装できるか出来ないかの判断は慎重に行って下さい。だいたい新築後5~8年くらいが目安と言われています。

※ここに書かれています耐候年数は、立地条件、環境、大気の状態などで大きく変化します。あくまで目安として下さい。

築後何年で外壁塗り替えが必要ですか?

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外壁塗装が必要な時期は、ご自身が「塗装した方がいいかな?」と思われた時だと思います。

訪問型の塗装業者がしつこいからとか、建築した工務店とかハウスメーカーに勧められたからでは無く、塗装の時期は自分で決められた方がいいと思います。

塗り替え時期が遅れても、それが原因で家が倒壊することは殆どないでしょう。(雨水などが入り込み白蟻被害などがあれば別ですが)ですので、工事費用のこともあれば転勤などで不在とか仕事上の都合など様々な理由があると思います。ご自分の一番いい時が塗装工事の時期です。

しかし、今までいろんな建物の塗り替え工事をしてきた上で言えるのは、建物の部材が劣化する前に塗り替えをするのが一番建物の寿命を伸ばすことが出来ると言えます。

サイディングボードも新しい時は降雨直後の雨水の含水率は0~5%程度ですが、条件にもよりますが10年程度経過すると20%近くになるものもあります。

これは、降雨後暫くはボード内部に水分が残りカビ・藻などの発生が起こりやすくなっています。それから、ボードの含水率が高くなるとボード自体の脆弱化をまねき、割れや、膨れと言った不具合を引き起こします。この不具合が酷くなると塗装できなと言うことも起こります。結果ボード自体を張り替えるか、ボードを残した上でカバー工法を施すと言う工事が必要となってきます。当然、補修費用も高額なものとなります。

新築後10年は建築した工務店やハウスメーカーの瑕疵担保責任とか、建材自体のメーカー保証などがありますので、10年経過したらご自宅をじっくり劣化の状況や不具合を観察して外壁塗装のことも少しは考え始めて下さい。

窯業系サイディングボード以外の下地は?

住宅の下地の種類は窯業系サイディングボードに限らず、モルタル壁であったり、同じサイディングボードと呼ばれるものでも金属サイディングであったり、水に浮くコンクリートと言われる?ALCボードなどいろいろな種類があります。

詳しくは後日お話ししますので、今回はこの下地ならこの塗装をお勧めしますと簡単に解説致します。(塗り替えの方法もいろいろありますのであくまで一例と言う事で)

モルタル下地

先ずモルタル下地ですが、新築時の塗装はリシンと呼ばれる砂壁状の塗装とか吹付タイルと呼ばれる丸い玉状の模様を吹き付けたものが殆どです。小学校とかの外壁をイメージしてもらうと解りやすいのでは?

リシン塗り替え

リシン下地の塗り替えは、艶有り仕上げにするのか艶消し仕上げにするのかで変わってきます。艶有り仕上げにする場合は、高圧水洗浄後に下地調整材と呼ばれる厚めに塗布できる塗料を塗ります。

これはリシン塗膜の艶消しの場合では目立たなかった下地の不陸とか、リシンの石の吹きムラとかを均一にするために塗布します。

その上で、シリコン樹脂塗料や無機塗料の上塗り材を塗装します。

艶消し仕上げの場合は、高圧水洗浄ご下塗りを塗布して艶消し塗料を塗布して仕上げます。

リシン下地の場合は水性塗料をお勧めします。

吹付タイル塗り替え

吹付タイルの場合は、下地に不具合がなければ高圧水洗浄後シーラーを塗布してお好みの上塗り材を施工できます。

ただし、旧塗膜が水性なら水性の塗料を使用するようにして下さい。

金属サイディング

金属サイディングの場合は、高圧水洗浄後金属面用のプライマーを塗布して金属用の上塗り材で仕上げます。

金属サイディングは表面がツルンとしたものが多く刷毛やローラーで塗装するよりもスプレーガンで吹付塗装を行った方が綺麗に仕上がるでしょう。

ALCパネル

ALCパネルの新築時の塗装もモルタルした時と同様、殆どの塗装がリシンとか吹付タイルが施工されています。

ALCパネルの場合は表面が多孔質になっていますので、表面塗膜が劣化すると吸水性が高くなり漏水が考えられます、一般的には防水性のある伸び縮みする柔らかい弾性塗料を施工します。

モルタル下地の場合と同様にリシン、吹付タイルで下地調整材を塗布するのかシーラーを塗布するのかで違ってきます。

下地処理後に弾性塗料を施工します。

弾性塗料には、単層弾性材と複層弾性材があります用途によってどちらかを施行します。

艶あり、艶消し塗料どちらがいいの?

塗料は艶有りの方が耐候性は高くなります。

人間の目は、物に光が当たって真っ直ぐに光が帰ってくると艶があると感じます。

そこで、塗料表面を荒し光が乱反射するようにすることで艶調整を行います。

当然表面を荒らすことで、耐候性も悪くなりますし、汚れとかも付着しやすくなります。

和風住宅などの外壁塗装などを除き、高耐候性を望むのであれば艶あり塗料をお勧めいたします。

ただし、最近は艶の調整を後からするので無く、製造段階で艶を調整した塗料で高耐候性な塗料も一部のメーカーから開発されてます。

まとめ

外壁塗装にはどんな種類があるのかを高意匠性サイディングボードの塗り替えを中心に解説しましたが、価格を重視するのか耐候性を重視するのかと言う事です。

しかし、最近は塗料開発技術も進歩しています。

シリコン樹脂塗料で塗り替えする場合と無機塗料で塗装する場合を比較しても1.3~1.5倍の価格差まで縮まってきています。この価格は軒天以外全部無機塗料で塗装したらこうなるという価格です。破風とか雨戸などの付帯物塗装の塗料をシリコン樹脂に変更すれば更に価格差は縮まります。

現在見積中の方も、もう一度検討し直してみたらいかがでしょうか?

ここまで読んできても、ぼんやり解った程度では無いでしょうか?

ご質問があれば、どこにお住まいの方でも遠慮せずにお問い合わせ欄からご質問下さい。