●亜鉛メッキとは?
亜鉛メッキとは、鉄や鋼などの金属表面に亜鉛の層をコーティングすることにより、金属の表面を保護し、錆や腐食から守る表面処理技術です。この亜鉛の保護層は、金属が酸素や水分、その他の腐食性物質と直接触れるのを防ぎ、金属の寿命を延ばします。
亜鉛は、鉄よりも電気化学的に活性が高いため、亜鉛メッキされた金属が腐食し始めると、亜鉛層が先に反応し、基材である鉄や鋼を保護します。
この現象をガルバニック保護と呼びます。
亜鉛メッキをさらに進化させたものに、アルミニウムと亜鉛の合金でコーティングする、さらに耐食性の高いガルバリウム鋼板などもあります。
●電気亜鉛メッキとは?
電気亜鉛メッキとは、鉄や鋼などの金属表面に亜鉛の層をコーティングすることで、錆びや腐食から保護する表面処理の一種です。
この方法は、電解液に亜鉛イオンを含む溶液を使用し、対象となる金属を陰極(カソード)、亜鉛を陽極(アノード)として電気を流すことで、亜鉛が金属の表面に均一に付着するようにします。
電気亜鉛メッキは、自動車部品、建築資材、家電製品など、さまざまな製品の防錆処理に広く用いられています。
どぶ漬け亜鉛メッキ(融解亜鉛メッキ)とは違い、高温にならないため熱が原因の製品のゆがみやねじ部分もそのまま使用が可能になっています。
⚪︎電気亜鉛メッキのメリットとデメリット
メリット
・均一なコーティング
電気亜鉛メッキは非常に薄く均一なコーティング層を提供できるため、精密部品や小さな物体の処理に適しています。
・コントロールが容易
電流の強さを調節することで、メッキの厚さを細かく制御できます。
・美観
表面が滑らかで美しい仕上がりになります。特定の見た目を要求される製品に適しています。
・環境負荷が低い:
どぶ漬けに比べて使用される亜鉛の量が少なく、廃棄物も少ない傾向があります。
デメリット
・耐食性が劣る
電気亜鉛メッキの層は比較的薄いため、どぶ漬けメッキに比べて耐食性が低い場合があります。
・コスト
小規模な部品に対してはコストが高くなる可能性があります。
・サイズ制限
処理できる部品のサイズに制限があるため、大きな部品のメッキには不向きです。
●どぶ漬け亜鉛メッキ(熱浸漬亜鉛メッキ)とは?
金属製品を溶融した亜鉛の浴槽に浸すことにより、その表面に亜鉛の保護層を施す処理です。
この手法は、特に大きな構造物や、複雑な形状をした物体の防錆処理に適しています。
どぶ漬け亜鉛メッキは、電気亜鉛メッキと比べてより厚いメッキ層を形成できるため、特に厳しい環境下での使用や、長期にわたる防錆性が求められる場合に適しています。
橋梁、道路のガードレール、屋外設置の鋼構造物など、過酷な条件下で使用される製品に多く用いられています。
⚪︎どぶ漬け亜鉛メッキのメリットとデメリット
メリット
・優れた耐食性
厚い亜鉛層が形成されるため、厳しい環境下でも長期にわたって高い耐食性を提供します。
・大きな部品に適用可能
大きな構造物も浸漬処理できるため、大規模な製品のメッキに適しています。
・継ぎ目のないコーティング
物体全体を均一にカバーでき、隙間なく保護層を形成します。
デメリット
・重量増加
厚いメッキ層が形成されるため、部品の重量が増加する可能性があります。
・コーティングの不均一性
部品の形状によっては、メッキ層の厚みに不均一性が生じる場合があります。
・環境への影響
大量の亜鉛と熱が必要であり、処理過程での環境への影響が大きい場合があります。
・コスト
大規模な設備とエネルギーが必要なため、設置と運用のコストが高くなる可能性があります。
●亜鉛メッキの上からさらに塗装を行う理由
耐久性の向上
亜鉛メッキは鉄や鋼の表面に保護層を提供し、腐食を防ぎますが、このメッキ層の上に塗装を施すことで、さらに耐久性を向上させることができます。塗装層はメッキ層を物理的な損傷から守り、さらに耐食性を高めます。
美観の向上
亜鉛メッキの表面は灰色で鈍いものが多く、視覚的に魅力的ではないことがあります。塗装を施すことで、製品の外観を改善し、望みの色や質感を与えることができます。
環境適応性
特定の環境下での使用を想定している場合、塗装を施すことで製品をその環境に適したものにすることができます。例えば、化学薬品にさらされる環境や極端な気候条件下での使用を想定している場合、特定の種類の塗装を施すことで保護効果を高めることができます。
接着性の向上
亜鉛メッキされた表面は、塗料や他の被覆材との接着が困難な場合があります。適切な下地処理と塗装を施すことで、これらの材料との接着性を向上させることができます。
修正と保守の容易さ
塗装された表面は、傷がついた場合や部分的な修理が必要な場合に、容易に修正や塗り直しができます。これにより、長期的なメンテナンスが容易になり、製品の寿命を延ばすことができます。
●亜鉛メッキを塗装するときの注意点
亜鉛は活性の高い金属なので、鉄素地と同じ要領で塗装をすると、亜鉛と塗料成分が反応して塗膜剥離などの事故を起こすことがあります。
しかし適切な塗装系を選択してめっき面上に塗装した場合、鋼構造物の耐久性は亜鉛メッキのみの場合の寿命に塗膜の寿命を加えた値の、ほぼ2倍に相当するとされています。
亜鉛は活性の高い金属であり、塗料を選ぶ必要があります。油性系、アルキッド系のものは避けた方がよいでしょう。
常乾型塗料の中で最も密着性の良いものはエポキシ系と塩化ゴム系であり、焼付型粉体塗料ではエポキシ系、アクリル系とも完全な密着性を示します。
現場での塗装を考慮すると、常乾型の亜鉛メッキ用エポキシ樹脂の下塗材が望ましいと思われます。
亜鉛メッキを新規で塗装する場合は、ピカピカの溶融亜鉛メッキ鋼を、雨ざらしにし、表面付着物質も流され徐々に金属光沢が失われた状態、約半年くらい経過して光沢がにぶくなるまで屋外で暴露し、白さびを除去した後塗装することをお勧めいたします。
既存劣化亜鉛メッキ面の塗装は、表面に付着しているほこり、ゴミなどを清掃除去した後、油分の付着は脱脂洗浄する。
白さびはや赤錆発生部は電動工具などで素地調整する。
現場塗装の場合は、仕上げ塗材は弱溶剤2成分型のシリコン塗料とかでも使用可能です。
●最後に
亜鉛メッキの場合は活性の高い金属なので塗膜剥離が完全に起こらないとは言い切れません。このことは、施工前に施主に伝えておく必要があります。
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