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塗装塗り替え工事を行う業者は、ゼネコン、工務店、塗装業者など様々です。

そして、直接塗り替え工事をするのは塗装業者です。

ゼネコン、工務店、大手リフォーム会社は塗装職人を従業員として雇っているところは、私の知る限りありません!

意外なのは、大手の塗装業者の場合も、営業マンはいるが、職人を雇わず下請け業者を使っているところが殆どです。

職人を雇っていても、官公庁の工事とか大手ゼネコンの工事に提出する書類のために、雇用保険番号とか、その必要な技能士他の資格を証明するために少人数雇っているに過ぎません!

最近CMとかチラシなどでよく目にする、全国展開している有名タレントを企業イメージに使った塗装塗り替え業者や、かわいいキャラクターを企業イメージに使った塗り替え業者等のフランチャイズ店もその大半が、雇っているのは営業マンだけで塗装職人は下請け業者です。

また、その様な業者は、それを企画・発案した本元の会社にロイヤリティーを支払っている訳ですから、ある意味下請け業者と言えるかもしれません!

塗装塗り替え業者の多くは、一人親方もしくは1〜5人程度の職人を従業員として雇っている零細企業です。

当然、営業マンを雇って塗り替え工事を元請けとして、塗り替え工事を受注し  て自社で施工するというところは、殆どないと思います。

営業は社長が一人で行い、ゼネコンや工務店不動産会社等を廻り下請けの新築の塗装や、塗り替えの仕事を受注する形態が主です。その社長も現場に出て自ら施工する人も多いと思います。

唯一、元請け工事は官公庁の工事と言うことになりますが、年々工事発注件数も減っている様で益々経営が苦しくなることでしょう。

「下請けの工事を沢山薄利で請けて経費をどうにか捻出する」と言うことになります。

また、業者によっては官公庁の工事の利益で、下請け工事分の赤字を穴埋めしている業者もいると聞きます。

従業員や下請け業者を遊ばせない様にするには仕方のないことなのでしょうか?

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ここで、問題になるのが住宅塗装塗り替え時の下請け工事の金額です。

住宅一件、塗り替え工事を施行して、25万〜30万円程度です。

この金額の中には、足場代とか塗料代は入っていませんが、現場で使うハケ、ローラー、養生類等の消耗品費、それに現場まで職人を運んだり材料を運んだりする運搬費、施行写真を撮影する現場経費は下請け業者負担です。

一般的な住宅塗り替え工事で20人工〜25人工必要です。

塗り替え工事の請け金額から、従業員の社会保険料、雇用保険などの福利厚生費を捻出しようとすると、社長自らが現場で施行して少しでも利益を出すしかありません!(現在は従業員に雇用保険、社会保険をかけていない業者は官公庁、大手ゼネコン、大手ハウスメーカーの工事は受注できません。そもそも各種保険をかけていない人を従業員と呼べるかも微妙ですけど)

よく下請け業者の社長と話をすると、殆どの方が「従業員を雇う経費を稼ぐためだけに働いている様なもの」とおっしゃいます。

弊社も、ほんの10数年前までそうでした!

この金額だと、屋根とか外壁の下地の状態が悪く、塗料の吸い込みなどが大きくて「もう1回下塗りをして上塗りを3回塗ったら新築みたいに綺麗になる、アルミサッシが劣化して白ボケしているから磨いておこう」等と思っても行動に移すことはできません!

また、追加塗装を行おうと思って元請けに相談しても、追加の施行代金は出るはずもありません!

塗り替え工事を受注した時点で、経費がいくら利益がいくらと決められています。殆どの元請業社は決定事項を変更しようとはしません!

全ての元請業者がそうだとは言いません、中には塗り替え工事費を上乗せしてくれるところや、塗り替え工事金額をこちらの見積もり通り出してくれるところもあります。

しかし、この様な元請業者は非常に稀です。

弊社は、塗り替え工事の殆どが元請工事ですが、この様な柔軟な対応をしてくれるゼネコン様や工務店様とのお付き合いは数社現在でもあります。

現場で自ら塗り替え工事を施行していて、先ほども言った様に「もう一手間かけたら綺麗になり長持ちするだろうと思っても出来ない」当然、慈善事業ではありませんので、赤字にする訳にはいきません!

そうしているうちに、下請け工事で塗り替えした、住宅の前を通り、その住宅の劣化具合を見るのが嫌になってきました!

そこで、自分達でパソコンを使い、塗り替えのチラシを作り、コピー機で印刷、雨の日や休みの日に住宅地を中心に、塗り替えが必要そうなところに、一軒一軒、塗り替え工事を薦めるチラシを配って回りました!

塗り替えをPRするホームページも自分達で作り、YouTube等のSNSも取り入れました!

そうすると、塗り替えの相談や見積もり依頼が少しずつ増えてきて、現在に至ります。

途中で、弊社の話へと変わってしまい申し訳ありません!

何が言いたかったのかと言いますと、塗り替え工事で現場に来る業者は大半が下請け業者で、塗り替えに必要な金額が最初から設定されていて、その非常に低額な金額の中で施行するしか無いと言うことです。

塗り替えの見積もりや現場調査にくる営業マンも、現場上がりの営業マンは殆どいません!

現場上がりの営業マンだったら、自分で施行してきた訳ですから下地を見れば、下塗りが1回でいいのか2回必要なのか、上塗りは3回塗りしないと綺麗に仕上がらないし対応年数も確保できない等見ればわかります。
(車ディーラーの営業マンが、整備士を経て営業職に移動するのを見れば納得ですよね!)

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その辺りの説明も、お客様に納得がいく様にできると思いますし、塗り替え工事金額の中にも反映されると思います。

しかし、塗り替えにおける知識を知識だけで覚えている営業マンは、下塗り1回、上塗り2回これだけです。

そればかりか、営業マンと現場との施工詳細の伝達がよく伝わっていなくてトラブルになることもしばしばあるようです。

足場解体前に分かればいいですが、足場解体後に発覚すれば最悪です。

そして、住宅塗り替え工事が開始して、その営業マンが顔を出すのは、工事開始日と完了日、後は集金の時だけでしょう!

材料搬入から写真管理、使用済材料の管理など全てが下請け業者任せです。

その営業マンが言う様に、最低でも下塗り1回、上塗り2回、本当に施工されているのでしょうか?

それすら解らないですよね。

塗料メーカーの施工仕様書通りに施工しないと、その塗料の持つ性能を100%発揮させることはできません。

仕上げ塗料が2回塗りでメーカーの示す通りの標準塗布量を使用出来なかった場合、さらに3回目を塗布する必要があります。

しかし、この低予算で赤字にしてまで3回目を施行するでしょうか?

元請、下請けの関係は信頼感関係で結びついていますので、その様なことは無いのかもしれませんが、絶対にないとは言い切れませんよね!お金が絡むだけに様々なのではないでしょうか?

塗装専門で自社で職人を抱えて、元請として塗り替え工事をする業者も、下請け業者を使い、塗り替え工事をする業者も極端な例を除けば、塗り替え工事金額は殆ど変わりません!

同じ工事をすのであれば、現場調査で、どのような施工が必要で施工金額がいくらになるのかを判断でき、ベランダ床のFRP防水の保護トップコートの塗り替えや外灯、ポストが外壁が綺麗になったことで目立つ様であればサービスで塗装してくれる。駐車場の床や塗装しないブロック塀の高圧洗浄まで洗ってくれる業者の方が良いのではありませんか?(もちろん、企業努力により経費内で出来ればの事ですが、塗り替え工事の場合思いもしない事が発生する事が有りますのでお約束は出来ませんが)

施工する業者の事がハッキリ解らなければ、施行した物件を古いものから新しいものまで、数件見せてもらうのが手っ取り早いし、きちんとした施行が行われた物件であれば、以前塗り替え工事を施工をされたお施主様も快く応じてくださることでしょう!

最後に施行後の保証期間とか保証内容なども忘れずに確認しておきましょう!

様々な業者があり、迷われることでしょうが、何度も言いますが施行した物件を見せてもらうのが一番です。

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次に、塗り替えに使用する塗料の話ですが、塗り替え工事を進めてくる業者によっては、自社オリジナル塗料を使用し高耐候性を強調する業者もいます。

勿論、塗装業社がオリジナル塗料を開発、製造できる筈はありません。

塗料メーカーは、塗料の試作品を開発を繰り返し長年に渡る暴露試験など経て、高性能なフッ素や無期塗料の超耐候性や低汚染性、高度な防カビ・防藻性等の高機能な塗料を開発しています。

これには、高度な知識を持った技術者や設備など純諾な経費を必要とします。

果たして、自社で使用する塗料だけでこれらを捻出できるでしょうか?

答えはNoです。

塗装業社が使用している塗料は、OEM製造しているという塗料になります。

OEMとは、「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」を略した言葉で、日本語だと他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)を指します。

私は、以前塗料メーカーに勤務していましたので、その辺りの内部事情は大体わかります。

塗料メーカー間でも、OEMは実は良く行われています。

塗料メーカーの製造工場に行くと(一般の人は出入りできないと思いますが)他社メーカーの荷姿の塗料が普通に製造されています。

これは、例えば水性塗料開発に特化した塗料メーカーに依頼して自社ブランドの塗料を製造してもらっているわけです。

一から新製品を開発するよりは、経費も時間もかかりませんので、そのようにしている塗料メーカーも少なくないと言えるわけです。

A社の塗料をB社がOEM製造しているわけですから、A社とB社の塗料は同じ塗料です。にも関わらず「A社の塗料は伸びが良く、塗り易いがB社の塗料はイマイチ塗りにくいし乾燥が遅い」などと言う話しを施工業者から良く聞いていました。

やはり、高明な塗料メーカーの塗料は、同じ塗料でも違うようですね。

建築塗料を製造しているメーカーには、高明でなくてもしっかり研究し確かな製品を開発しているメーカーも少なからずあります。ブランドイメージだけではありません!

しかし、そのような塗料メーカーが一施工業者のためにオリジナル塗料をOEMで製造はしてはくれません。

小ロットでもオリジナルのラベルを作成して、豪華なパンフレットを作成してくれる業者がいます。

中身は恐らく一般的な汎用塗料だと思われます。

自社オリジナルを強調する事で他製品との差別化を図り高単価で塗り替え工事を受注する事を目的としています。

超耐候性を売りにしている高性能な塗料を使用した、塗り替え工事を勧められたのであれば、10年以上出来れば15年近く経過した、その業者が施工した物件を見せてもらうのが1番納得出来るのではないでしょうか!

もし、試験データーでしか性能を証明出来ない、またはその塗料を製造販売して、業者が言う耐候年数を経過していないので有れば、その塗料を使用すべきでは無いと考えます。

試験データーだけでは、実際の対応年数とは異なる場合が多く、特に宮崎県に於ける夏場の太陽光は相当なダメージを塗膜に与えます。

確かな国内塗料メーカーの製造した、高性能塗料を使うべきです。

また、塗料によっては20年以上30年を売りにしている超高性能塗料もありますが、そのような塗料は現時点では存在しないと考えていいと思います。

立地条件などにもよりますが、フッ素樹脂塗料等の高性能塗料の塗り替えで約18年から20年経過後に、再塗り替えのご依頼を頂いたお客様様も沢山いらっしゃいます。

ご依頼を頂いて調査に伺いますと、その殆どが光沢があります。

勿論、経年と共に劣化はしていますが、劣化の速度が非常に緩やかだと感じられるものが殆どでした。

昔のフッ素塗料等は、高性能塗料は高価格で当たり前でした!

さすがバブル後期の時代です。フッ素樹脂量も高濃度配合されていました。

しかしバブル崩壊後、フッ素樹脂イコール高性能塗料と言う事だけが一人走りして、各メーカー間の価格競争から段々と値下がりして、樹脂量はそれに合わせて少なくなっていきました。

塗料メーカーによっては、耐候性は汎用塗料と同等程度まで低下し、名ばかりのフッ素樹脂塗料となりました。

最近あった出来事なのですが、どこのメーカーのどの塗料とは申しませんが、塗り替え工事の現地調査で、ある塗料メーカーの社員と鉢合わせした事があります、お客さまが濃紺の色彩を求められているのに、「フッ素樹脂塗料でもその色彩は褪色が早目に現れるので、お勧め致しませ」と話していました。

勿論、そのお客様は弊社をご指定いただきました。

長年使用してきた塗料を自信を持ってお客様にお薦め出来る、これが一番だと思っています。

万が一、保証期間内に問題が発生した場合は責任をもって再塗装致します。

それが、一番の安心だと思います。

昔、今でも多分そうだと思いますが、赤十字病院の赤十字の看板に使われている赤色はフッ素塗料指定でした、超耐候を誇る塗料に於いて「濃紺はおすすめしません」とは、塗料メーカーの社員が言っているのが不思議でした。

そんな自信の無い塗料も販売して行かなければならない、お家事情があるのでしょう。

汎用商品の薄利を高付加価値商品で補うと言うことは塗料業界に限らず、全ての業界で言える事ですからしょうがないと言えるでしょう。

昔の塗料メーカー勤務時代の伝手を頼って、色々と調べてみましたが、そのメーカーのフッ素塗料はかなり多くの現場で早期な褪色・変色のクレームを起こしているようです。

それから、最近目にする様になった、外国から輸入した塗料の事をお話したいと思います。

日本の気候は、高温多湿で他の国と比べものにならないくらい、塗料においては悪条件がそろっています。

高い湿度の中でも、安定して硬化し、ひび割れしない水性塗料。

同じく高い湿度の中でも曇らない溶剤塗料などなど色々な悪条件を克服する、技術を日本の塗料メーカーは開発してきました。

これは、少し偏った私だけの考えかもしれませんが、日本国内では日本の塗料メーカーが製造した塗料を使うべきだとおもいます。

日本の塗料メーカーは、より条件の厳しい沖縄の宮古島での長年にわたる暴露試験をはじめ、様々の悪条件を課して、日本の気候に合う塗料を日々研究しています。

以前、大手の食品チェーン店のテナント工事でアメリカ製の塗料が指定されていたことがありました。

それも、梅雨時期の施行でしたが、壁面の塗装したのですが、湿度の影響でその塗料だけが乾燥せずに垂れてくるとか、強制乾燥させると塗膜が割れてくるとか、国内メーカの塗料では考えもしないことで、大変苦労したことがあります。

天井面は、指定がなかったので国内メーカーの汎用のAEP塗料を塗布しましたが、こちらの方は問題なく乾燥して綺麗に仕上がりました。

国内メーカーの塗料には、先ほども言いました通り日本の気候に適合する様に色々な技術が詰め込まれています。

それに、乾燥助剤であったり、粘度調整剤であったりと様々な調整もなされています。

よく耳にする輸入塗料は、遮熱性能や、その他の機能性が優れているのはわかります。

しかし、肝心な塗膜そのものが、割れたり膨れたりの不具合が発生しないものでしょうか?

使用されはじめて、そんなに長い年数は経過していない様に思いますが、はたして高温多湿の日本の気候に適合できるのかな?と・・・・

私は、この時のテナント塗装のことを踏まえて、やはり日本製の塗料を使うべきだなとつくづく思いました!

そう言った意味でも、勧められている同じ業者、同じ塗料で塗り替え施工した現場を見せてもらうべきですで。

一部塗料においては、販売されて7〜8年くらいしか経過してないのに14〜17年と言う高耐候性を売りにしている塗料もあります。

はたして、工場の中での試験データーのみで大丈夫なのでしょうか?実際の外部で暴露試験をするとまた違ったデーターも出てくるのではないでしょうか?

最後までお付き合い頂きありがとうございました。